閉店のあと
閉店後の店舗の土地と建物をどうするか|売る・貸す・活用の順番と固定資産税
PR
本ページには、広告主との提携により報酬を受け取るアフィリエイトリンク(不動産売却査定・相続不動産の買取相談の案内)を含みます。土地活用の案内は提携準備中です。掲載の有無や報酬の有無で、本文の結論は変えていません。詳しくは末尾の「出典と広告について」をご覧ください。
店を閉めたあとの土地と建物は、テナントなら契約に従って明け渡すだけです。自己所有なら、話はそこから始まります。出口は「売る・貸す・活用する」の3つで、決めないまま空けておくのがいちばん費用のかかる選択です。このページでは、放置すると何が起きるか、3つの出口の違い、解体費の目安、相続した店舗の期限、神奈川の相談窓口を、順番に整理します。
FIND YOUR WAY
どの選択肢から考えますか?
このガイドは、自己所有の店舗・店舗兼住宅が中心です。まずは目的を整理しましょう。
借りている店舗の退去は、閉店までにやることリストへ。一般の実家・空き家は、店舗向けの説明と分けて各相談先で確認してください。
先に結論
- 自己所有の店舗は「売る・貸す・活用する」のどれかを決めます。空けたまま置くと、固定資産税と維持費だけが出ていき、管理不全空家の勧告を受けると住宅部分の税の軽減も外れます。
- 店舗だけの建物の敷地は、もともと住宅用地の軽減がありません。店舗兼住宅は住宅部分の割合で軽減を受けていて、取り壊すか勧告を受けると外れます。
- 出口を1人で決めず、複数の会社から売却の査定と活用のプランを同時に取り、数字を並べてから決めます。無料の一括資料請求はそのための道具で、契約を急ぐ場ではありません。
まず「テナントか、自己所有か」で話が変わる
閉店後にやることは、物件が借り物か自分のものかで、まったく別の手順になります。
テナント(賃借)の場合、やることは原状回復と明け渡しです。原状回復は賃貸借契約が終わるときの借主の義務で、民法621条は「通常の使用による損耗と経年変化を除く損傷」を戻すと定めています。ただし、店舗の契約は「スケルトン返し」など契約書の特約が優先します。国土交通省の原状回復ガイドラインは民間の賃貸住宅を想定したもので、「使用を強制するものではなく、最終的には契約内容によって個別に判断される」と書かれています。店舗では、契約書の原状回復条項と解約予告の期間を読むところから始めてください。段取りは閉店までにやることリストにまとめています。
自己所有の場合、原状回復の義務はありません。代わりに、建物と土地をどうするかを自分で決めることになります。このページの残りは、自己所有の店舗(店舗兼住宅を含む)の話です。
決めずに空けておくと起きること(固定資産税と空家法)
空けておくと、毎年の固定資産税・都市計画税と、火災保険や最低限の管理費が出ていきます。加えて、2023年12月13日に施行された改正空家法で、「管理不全空家」という段階が新しくできました。
店舗だけの建物と、店舗兼住宅で違う
土地の固定資産税には「住宅用地の特例」があります。住宅の敷地は、1戸につき200㎡までが課税標準の1/6、それを超える部分が1/3に軽減されます(都市計画税は1/3と2/3)。
ここで分かれます。
| 建物の種類 | 土地の軽減 | 空けておいたとき |
|---|---|---|
| 店舗だけの建物 | もともと住宅用地の特例なし | 土地の税額は変わらない。ただし管理不全空家・特定空家の勧告・命令の対象にはなる |
| 店舗兼住宅 | 住宅部分の割合に応じて特例あり | 管理不全空家として勧告を受けると、住宅用地の特例から除外され、土地の税額が上がる |
| 建物を取り壊して更地 | 特例なし | 翌年度から住宅用地の特例が外れる(横浜市FAQ)。駐車場にした場合、舗装などは償却資産として別に課税 |
「空き家にすると固定資産税が6倍になる」という言い方をよく見ますが、国土交通省や政府広報、東京都主税局の公式説明は「軽減措置が受けられなくなる」「税額が高くなる場合がある」という表現で、倍率は書いていません。課税標準が1/6から本則に戻れば理屈の上では土地分が最大6倍ですが、非住宅用地には負担調整の仕組みがあり、実際の増え方はそれより小さくなることがあります。このページでも「軽減が外れる」とだけ書きます。
管理不全空家と特定空家
改正空家法では、「そのまま放置すれば特定空家等に該当するおそれのある状態」の空き家を管理不全空家等と定め(法13条1項)、市町村が指導し、改善しなければ勧告できます。勧告を受けた敷地は住宅用地の特例から外れます(地方税法349条の3の2)。倒壊のおそれや著しい衛生上の問題がある特定空家等(法2条2項)は、勧告・命令を経て行政代執行の対象になり、費用は所有者に請求されます。
注意
「勧告」は、いきなり来るものではなく、市町村の指導のあとに出ます。指導の段階で草刈りや破損箇所の補修をすれば、勧告に進みません。空けておく期間が長くなりそうなら、管理を誰がするかだけ先に決めておきます。
3つの出口の比較:売る・貸す・活用する
自己所有の店舗の出口は3つです。どれが正解かは、土地の場所と広さ、建物の年数、借入の残り、そして「あなたが今後その土地に関わり続けたいか」で決まります。
| 出口 | 向く人 | 初期費用 | お金になるまで | 注意 |
|---|---|---|---|---|
| 売る(建物付き/更地) | 借入を清算したい。土地に関わり続けたくない。相続で持て余している | 仲介手数料・(更地なら)解体費・測量費 | 数ヶ月〜1年 | 古い建物は買い手が解体費を差し引いて指値をしやすい。相続した店舗兼住宅は3,000万円控除の対象になる場合がある(後述) |
| 貸す(建物ごと貸す/土地だけ貸す) | 手放したくない。まとまった費用をかけたくない | 小〜中(原状の修繕・設備更新) | 借り手が付けば即 | 店舗として貸すなら居抜きの状態が価値になる。土地だけ貸す(貸地・事業用定期借地)は契約期間が長く、途中で売りにくくなる |
| 活用する(駐車場・トランクルーム・賃貸住宅など) | 土地を残して収入に変えたい。相続税や固定資産税の負担を収入で賄いたい | 駐車場は小、建物を建てるなら大(借入が前提になることが多い) | 駐車場は数ヶ月、建築は1年以上 | 建てる場合は空室リスクと借入返済を背負う。更地にすると住宅用地の特例が外れ、駐車場の舗装は償却資産として課税される(横浜市FAQ) |
この表は、公的機関による横並びの比較が存在しないため、法令と自治体の説明をもとに計画室が整理したものです。数字は土地ごとに違うので、次の節で「どう数字を集めるか」を書きます。
解体してから売るか、そのまま売るか(解体費の目安)
建物が古い場合、「解体してから売る」か「そのまま売って買い手に任せる」かで迷います。判断材料は2つ、解体費と、固定資産税の時期です。
解体費の目安
解体費に国の統一相場はありません。参考になるのは、自治体が補助金の計算に使う「標準単価」と、民間の相場記事です。
| 出典 | 木造 | 鉄骨造 | 鉄筋コンクリート造 |
|---|---|---|---|
| 相模原市の補助金標準単価(一次・2026年9月確認) | 36,000円/㎡(坪あたり約11.9万円) | 非木造 51,000円/㎡(坪あたり約16.9万円) | |
| 民間の相場記事(二次・2026年) | 坪3〜6万円 | 坪4.5〜8.2万円 | 坪6〜10万円 |
自治体の標準単価は補助金の上限計算に使う数字で、実勢より高めに出ています。民間の相場は建物本体だけの数字で、店舗では厨房設備や看板、アスベスト調査、前面道路が狭い場合の手作業費が上乗せになります。見積もりは必ず複数社から取り、内訳に「付帯工事」と「廃棄物処分費」が入っているかを見ます。
固定資産税は1月1日の状態で決まる
固定資産税は毎年1月1日時点の状態で課税されます。店舗兼住宅を12月に取り壊すと、翌年の土地の税額は住宅用地の特例が外れた額になります。売却が翌年にずれ込むなら、解体を年明けにするだけで1年分の差が出ます。逆に、買い手が「更地渡し」を条件にしている場合は、引き渡し日から逆算して解体の時期を決めます。
どちらが得かは、「解体した場合の売値 − 解体費」と「そのまま売った場合の売値」を並べないと分かりません。この2つは、査定を出す会社によって見方が違うので、複数の査定を同時に取るのが早道です。
PR
以下の解体見積の案内は、提携後にアフィリエイトリンクを掲載する予定です(現在は提携準備中)。報酬の有無で本文の結論は変えていません。
相続した店舗の場合:登記の期限と3,000万円控除
親の店を相続して持て余しているケースは、「まだ自分の名義になっていない」ことが多く、ここに期限があります。
相続登記は3年以内(2024年4月から義務)
相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内に相続登記をする義務が、2024年4月1日から始まっています。正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象です。2024年3月31日以前に相続した不動産も対象で、こちらの期限は2027年3月31日です。相続人の間で分け方が決まらない場合は、「相続人申告登記」をすれば義務を果たしたことになります。登記が済んでいないと、売ることも貸すこともできません。
相続した空き家の3,000万円特別控除は「住宅部分」だけ
相続した家を売ったときの譲渡所得から3,000万円を差し引ける制度(措置法35条3項)があります。対象は2027年12月31日までの譲渡で、主な要件は次のとおりです。
- 1981年(昭和56年)5月31日以前に建築された建物で、区分所有でないこと
- 相続の直前に、亡くなった人が1人で住んでいたこと
- 相続から3年目の年の12月31日までに売ること、売却代金が1億円以下であること
- 相続後に、事業・貸付・居住に使っていないこと
- 2024年以後の譲渡は、売った翌年2月15日までに買主が耐震改修または取り壊しをした場合も対象
店舗兼住宅の場合、国税庁は「店舗兼住宅のうち、亡くなった人の居住の用に使っていた部分に限られる」としています。居住部分がおおむね90%以上なら全体を居住用として扱えます。店舗だけの建物は対象外です。相続人が3人以上のときは控除額が2,000万円になります。
注意
この控除は要件が細かく、「相続後に一度でも貸した」「取り壊しの時期がずれた」で外れます。使えそうなら、売却の話を進める前に税理士か税務署に確認してください。
相続した物件を早く手放したい場合の相談先は、相談したいことに合わせて選ぶにまとめています(PR)。
神奈川県・横浜・川崎・相模原の相談窓口と補助金
公的な相談窓口は無料で、売る・貸す・活用するのどれにも偏らない立場で話を聞いてくれます。解体の補助金は「住宅」限定の制度が多く、店舗単体の建物は対象外になりやすい点に注意してください。
| 自治体 | 相談窓口 | 解体(除却)補助 | マッチング・バンク |
|---|---|---|---|
| 神奈川県 | 空き家総合相談窓口=(公社)かながわ住まいまちづくり協会 045-664-6901 | 県の制度なし(市町村へ) | 県営バンクなし。市町村の一覧を掲載 |
| 横浜市 | 建築局建築指導課 045-671-4539(専門家団体の紹介あり) | 住宅除却補助:2000年5月末以前着手・耐震性が低い住宅、上限50万円(築年により20〜40万円)。法人不可。2026年度受付は4月1日〜12月28日。住宅が対象 | 空家活用マッチング制度 |
| 川崎市 | 住宅整備推進課 044-200-2253/市住宅供給公社すまいの相談窓口 044-244-7590 | 一般の空き家解体補助は確認できず。不燃化重点対策地区限定で老朽建築物除却 上限100万円(個人のみ) | 空家マッチング制度 |
| 相模原市 | 住宅課 042-769-9817/NPO空家・空地管理センター 0120-336-366 | 危険な老朽空き家等除却費補助:2000年5月末以前・戸建住宅・1年以上空き家、補助率1/2・上限50万円。店舗等は対象外。10月に事前調査の申込締切 | 相模原市空き家バンク(住宅のみ) |
金額や受付期間は年度で変わります。申し込む前に、各自治体の該当ページ(末尾の出典)で当年度の条件を確認してください。
一括資料請求の使い方(届くもの・断り方)
ここまでの判断に必要な数字は、「売ったらいくらか」「貸したら・活用したらいくら入るか」「そのために初期費用はいくらか」の3つです。1社に聞くと、その会社の得意な出口の話しか出てきません。複数の会社に同じ条件で同時に聞くのが、いちばん早く数字が並ぶ方法です。
届くもの
- 土地活用のプラン(駐車場・賃貸住宅・店舗・トランクルームなど)と、建築費・収支の目安
- 売却の査定額(建物付き・更地それぞれ、会社によって差が出る)
- 各社からの電話や郵送の営業連絡。無料の代わりにこれが来ます
使うときの決まり
- 入力するのは、土地の所在地・広さ・現況・希望する出口。登記簿の情報が手元にあると早い
- 届いたプランは「初期費用」「年間の手取り」「何年で回収か」の3つで横並びにする
- 合わない会社には「他社に決めた」「今回は見送る」と伝えて断る。断ってもペナルティはない
- その場で契約しない。プランを持って、上の相談窓口か税理士に一度見せる
PR
以下には、提携条件を確認したサービスを掲載しています。リンク経由の申込が成果条件を満たすと、当サイトが報酬を受け取ります。土地活用の案内は提携準備中です。報酬の有無で本文の結論は変えていません。
よくある質問
店舗だけの建物なら、空き家にしても固定資産税は上がりませんか?
店舗だけの建物の敷地は、もともと住宅用地の特例を受けていないので、空き家にしたことで土地の税額が上がる仕組みはありません。ただし、管理不全空家や特定空家として勧告・命令を受けると、指導への対応や、最終的に行政代執行の費用請求を受ける可能性があります。店舗兼住宅は住宅部分の割合で特例を受けているため、勧告や取り壊しで軽減が外れます。
建物を解体してから売るのと、そのまま売るのは、どちらがよいですか?
一概には決まりません。古い建物は買い手が解体費を差し引いて指値をすることが多く、先に解体すると更地として売りやすくなります。一方で、店舗兼住宅を1月1日より前に取り壊すと、その年の土地の固定資産税は住宅用地の特例が外れた額になります。複数の会社に査定と活用案を出してもらうと、解体した場合・しない場合の価格差が分かります。
相続した店舗の登記は、いつまでにすればよいですか?
相続で取得したことを知った日から3年以内です(2024年4月1日から義務化)。正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象になります。2024年3月31日以前に相続した不動産は、2027年3月31日が期限です。分け方が決まらない場合は、相続人申告登記をすれば義務を果たしたことになります。
土地活用の一括資料請求をすると、何が届きますか?
土地の所在地と広さ、希望(売る・貸す・建てる)を入力すると、対応できる複数の会社から、活用プランや建築費・収支の目安、査定額などが届きます。無料ですが、各社から電話や郵送の営業連絡が来ます。不要な会社には断って構いません。プランを比べる目的で使い、契約を急がないことが前提です。
まとめ
- テナントなら契約書どおりに原状回復して明け渡す。自己所有なら「売る・貸す・活用する」を決める
- 店舗だけの敷地は住宅用地の軽減がもともとない。店舗兼住宅は、勧告か取り壊しで軽減が外れる。「6倍」と断定する公式説明はない
- 解体費は木造で坪3〜6万円が民間の目安、自治体の標準単価は坪12万円前後。付帯工事と処分費の内訳を見る。固定資産税は1月1日の状態で決まる
- 相続した店舗は、まず相続登記(3年以内・2024年3月以前の相続は2027年3月31日まで)。3,000万円控除は住宅部分だけ
- 神奈川の相談窓口は無料。解体補助は住宅限定が多く、店舗単体は対象外になりやすい
- 数字は1社に聞かず、複数社の査定とプランを同時に取って並べてから決める
閉店の段取りそのものは、1分で工程表に
6つの質問に答えるだけで、閉店日から逆算した「やること」と期限が一覧になります。無料・登録不要・入力内容は送信されません。
無料で工程表をつくる 挨拶文例12種・契約棚卸しシートつきの「店じまい完全キット」を無料で受け取る →出典と広告について(一次情報・2026年9月18日確認)
- 国土交通省「空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律(令和5年法律第50号)」
- 国土交通省「空家法とは」(管理不全空家・特定空家の説明)
- 政府広報オンライン「空き家の管理と対策」
- 東京都主税局「特定空家等・管理不全空家等に係る住宅用地特例の除外」
- 総務省「固定資産税の住宅用地の特例」
- 横浜市「住宅を取り壊して駐車場にしたら税額が上がった」(FAQ)
- e-Gov法令検索 民法621条(賃借人の原状回復義務)
- 国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」
- 相模原市「危険な老朽空き家等除却費補助金」(標準単価・対象)
- 野村不動産ソリューションズ ノムコム「解体費用の相場」(二次・民間相場)
- 法務省「相続登記の申請義務化」
- 国税庁 タックスアンサーNo.3306「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」
- 国税庁「店舗兼住宅の場合の空き家特例」(Q&A)
- 神奈川県「空き家に関する相談窓口」
- 横浜市「空家の解体(除却)に関する支援」
- 川崎市「空家等に関する相談窓口」
- 相模原市「空き家に関する相談窓口」
広告について:本ページの売却査定の案内(ミライアス)と相続不動産の買取相談の案内(ラクウル)はアフィリエイトリンクです。土地活用の案内は提携準備中です。リンク経由の申込が成果条件を満たすと、当サイトが広告主から報酬を受け取ります。掲載先の選定と本文の結論は報酬の有無で変えていません。当サイトは宅地建物取引業者ではなく、物件の売買・賃貸の媒介は行いません。
本ページは一般的な情報提供であり、法的・税務的助言ではありません。税額・補助金・控除の要否は個別の状況・自治体・契約内容で異なります。個別の判断は税理士・司法書士等の専門家、または各窓口にご確認ください。